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2025/10/14

創立150周年記念式 式辞(2025.10.12)

神戸女学院創立150周年記念式 式辞(2025.10.12) 院長 飯 謙

  皆様、創立150周年、おめでとうございます。維新から間もない時期に、神戸・山本通で、3名の寄宿生、そして23名の通学生からなる小さな学舎が誕生し、幾多の困難に見舞われながらも、多くの人の祈りと奉仕を得て、本日の記念の時へと導かれました。これは、神の業、神の出来事でございます。ご一緒にそれを喜び合い、感謝を共にいたしたく存じます。

 聖書の信仰の特徴は、神が人に呼びかけ、その人が応答し、神がそれを用いて意志を実現するところに見いだされると申します。新約聖書のヘブライ人への手紙の冒頭にある、神はいろいろな時にいろいろな方法で語られたというフレーズは、この特徴を言い表しています。創世記巻頭の創造伝承も、その元となるメッセージを伝えています。

 タルカット先生とダッドレー先生――まさにお二人は、神からの呼びかけを受けとめて神戸にいらっしゃり、聖書のメッセージにつながる、幅広い宣教活動を展開されました。神戸ステーションの先生方、米国アメリカンボードの支援者、神戸の教会に連なる方々、またそのつながりの輪の中にあった九鬼隆義や白洲退蔵など、多くの人がその呼びかけに応え、参与者として加わり、用いられ、女學校の立学に至ることができました。それは、聖書に基づいて、相互受容の精神を深め、弱い立場にある人を強め、女性教育を拡幅し、規模の大きさやその力に頼らず、向かい合う課題に正面から対応する人を育て、送り出す使命を、深く自覚する学び舎です。そうして、その思いに、同窓会(めぐみ会)、KCC、家庭会、西宮市を始め兵庫県、関西、地域の関係者、教会と学校関係者、継続してお助けくださっている業者様など、多くの皆様がお心を寄せてくださり、お力添えをくださり、志しを共にしてくださり、今日があります。感謝申し上げます。

 今日、私は、神戸女学院の150年が、まず神の呼びかけがあり、それに応答する人があって、さらにそれに共感する人が現れ、その拡がりの中で学院が建てられ、導かれたこと、それが神を想い、隣人を想う「愛神愛隣」を具現する出来事、神の出来事であったことを申し述べました。私どもは本日、創立150年目の喜びの日を迎えるにあたり、その原点を、改めて心に刻みたく存じます。そして今日まで導かれたことを、感謝をもって受け止め、これまでに示されてきた課題――キリスト教学校であること、国際理解の精神、少人数制、リベラルアーツの伝統に立つこと、そして女性教育機関であること――これらを、正しく継承する決意の機会といたしましょう。

 神戸女学院のこれからの歩みの上に、皆さまの上に、主の祝福と導きが豊かにございますようお祈り申し上げます。ありがとうございました。